2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代的視点から自律的に歴史認識を発展させる小中一貫歴史カリキュラムの単元開発
Project/Area Number |
20530846
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
寺尾 健夫 University of Fukui, 教育地域科学部, 教授 (70217412)
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Keywords | 社会科教育 / 歴史学習 / 構築主義 / 単元開発 / 小中一貫教育 |
Research Abstract |
(1) 平成20度の研究では、歴史カリキュラムの新しい教育内容研究として,社会構築主義の社会学,歴史学などで新しく研究され,再定義されている紛争(戦争)や葛藤、プライバシー、民族、ジェンダーなどの現代社会理解の鍵となる概念に関する定義や理論を我が国で刊行されている文献や米国や英国で刊行されている文献を手がかりにして明らかにした。これらの概念や理論は、今後、小中学校の子どもに,歴史認識や社会的な見方・考え方を育成する目的の達成に向けて,教育的観点から学習内容を選択,構成するための指標となるものである。(2)社会構築主義に基づく歴史理解について、特に史料テキストや映像資料を基にして、現代的課題である民族やジェンダー、紛争における学習者の社会・文化的背景を踏まえた歴史理解の構造を研究して歴史教育論を形成しているシンシナチ大学のK. Bartonの論に焦点を当てて、彼らの提案している歴史カリキュラムの構成原理や授業構成原理の一部を明らかにした(継続中)。(3)さらに、民主主義社会の基本概念の習得を中心目標とした歴史学習を実際に展開している社会構築主義の歴史カリキュラムの典型事例、米国中等歴史カリキュラム「生きている歴史!」の最新バージョンの単元キットを収集、分析して社会構築主義に基づく歴史カリキュラムの構成原理および民主主義社会の概念を育成するための内容構成原理の一部を明かにした(継続中)。またこの歴史カリキュラムが単元展開の際に付帯条件としている教師自身の指導技能向上のための具体的な単元展開の方法を分析し、教科書や史料教材などとの関連を踏まえた単元の実際的な指導原理についても部分的に明らかにした(継続中)。
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Research Products
(1 results)