2011 Fiscal Year Annual Research Report
現代的視点から自律的に歴史認識を発展させる小中一貫歴史カリキュラムの単元開発
Project/Area Number |
20530846
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
寺尾 健夫 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (70217412)
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Keywords | 社会科教育 / 歴史教育 / 構築主義 / 単元開発 / 小中一貫教育 |
Research Abstract |
本研究では、歴史教育において従来から批判されてきた小学校と中学校における通史の繰り返し学習の問題の解決に焦点を当て、通史の単なる繰り返し学習ではなく、小学校と中学校を一貫して、現代社会の理解と結びつけて子どもに歴史認識を自律的、段階的に発展させる歴史カリキュラムの単元開発を目的としている。より具体的には、本研究で新たに目ざしている、子どもが自律的に歴史認識を発展させる歴史カリキュラムの具体的な単元は、(1)科学の論理に重点を置いて出来事を解釈し、意味づけることで子どもが自分自身の歴史像を作っていく研究的歴史構築主義学習を基礎とし、その上に(2)批判の論理に重点をおいて出来事を解釈し、意味づけることで子どもが自分自身の歴史像を作っていく社会的歴史構築学習を展開する2タイプから成る二層の構造をもった歴史学習を実現するものであった。 本年度の23年度では平成21年度と22年度の研究で明らかにした構築主義歴史カリキュラムの構成原理、内容構成原理及び授業構成原理を基にして、小学校・中学校を一貫して、現代的視点から子どもの自律的な歴史認識を発展させる歴史カリキュラムの全体像を明らかにし、これを構成する小学校から中学校に渡る段階性と系統性を備えた単元と具体的な歴史授業の開発を行った。 また23年度では、小学校、中学校の社会科教師の協力を得て、開発した単元の授業を実施し、その結果の分析を通して単元及びこの基盤となっている理論の有効性を検討した。社会における紛争や葛藤問題、プライバシー、民俗、ジェンダーなどに関して開発した単元の中から、現代社会を理解する上で特に重要な単元を選び、その実施と結果の検討を通して、開発した小中一貫歴史カリキュラムの有効性を検討した。. 最後に、平成20年度~23年度までの研究成果を反省的に検討して、これまでに開発した歴史カリキュラムを改善し、体系性と具体性を備えた単元を備えた単元で構成される小中一貫歴史カリキュラムをまとめた。
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Research Products
(3 results)