2008 Fiscal Year Annual Research Report
授業スタイルの形成と「教師文化」--ライフヒストリー的アプローチを用いて--
Project/Area Number |
20530850
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森脇 健夫 Mie University, 教育学部, 教授 (20174469)
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Keywords | ライフヒストリー研究 / 授業スタイル形成 / 教師の力量形成 / 教師文化 / 教師のサークル活動 |
Research Abstract |
今年度の研究としては大きく三つ挙げることができる。第一には、教師の自主的なサークルである広島授業づくり研究会の研究合宿に参加し、その主要なメンバーである4人の方にインタビューを行ったことである。また4人のうち2人については、授業も参加観察し、記録を採ることができた。その中で明らかになったことは、サークルにおいて共通の目標「地域の中での教材づくり」ということが、それぞれの授業スタイル形成に影響し、またサークルとしての共通の財産もつくりあげていっていることである。地域実践は時間とエネルギーを要するものであるが、それだけに授業づくりの過程における支え合いが大きな力になること、その役割をサークルが担っていることが明らかになった。 もう一つは、理論的な研究方法としての質的研究の方法論についての探究を進めたことである。インタビューと参加観察の方法論について、日本質的心理学会等への参加、論議によって深めることができた。 三番目は、サイドレビューとして日本語教師の力量形成についてのライフヒストリー研究を行ったことである。日本語教師という仕事は学校の教師と比較して十分にその地位や経済的な保障のない仕事であるが、それでも教師としてのアイデンティティ形成、またその教師なりの授業スタイルの形成を見ることができる。力量の形成において重要なポイントは、問題場面における教師としてのアイデンティティの再構築であることが明らかになった。この再度レビューは、学校の教師の力量形成論に必ず活かされると確信している。
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