2010 Fiscal Year Annual Research Report
デザイン教育における現代的コンセプトの再構築及び教材開発-英国との共同比較教育研究-
Project/Area Number |
20530854
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
福本 謹一 兵庫教育大学, 理事・副学長 (80165315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 直樹 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (30113806)
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Keywords | デザイン教育 / 構成教育 / 問題解決学習 / 美術教育 / 教育課程 |
Research Abstract |
本研究の主要目的は「デザイン教育における現代的コンセプトの再構築及び教材開発」であるが、具体的には、第一に、問題解決型学習の現代的可能性についての検証をすること、第2に、デザイン学習と構成教育の有機的連関に関する研究を行うとともに具体的な教材化を図ることであった。第1の目的に関して、普通教育における多くのデザイン教育において、何を、どのように、何を目指して行われるかという、教育的行為には欠かせない基本的事柄を明確化する必要がある。そのために1970年代に注目された英国の問題解決型のデザイン教育をモデルとして取り上げ、その歴史的検討を通して行うこととした。1年目には3名の英国の研究者を招いたデザイン教育に関するシンポジウムを開催してその現況を把握した。その後継続的に研究交流を行い、今年度は主に第2の目的に関して研究を行った。その中で、問題解決学習としてのデザイン学習は、美術領域のものとしてよりも、工学的な色彩を強めたデザイン&テクノロジーという教科での扱いがなされていき、次第に造形学習としてのデザイン教育が弱体化したこと、さらにバウハウスを淵源とする構成教育がデザイン分野の一部分として捉えられてきたことや、その扱いがデザイン基礎としての造形体験という様相が主であることが明らかになった。それをふまえて今年度は、大学レベルでの構成・デザイン教育の教材化を検討して実践を行った。その成果として、皮相的なデザイン教育を乗り越えることができたと考えている。 3か年に渡り、英国の研究協力者との連携により、英国のデザイン教育についての様相を描出することができた。今後は、英国の研究者ともさらに連携を深め、デザイン教育の在り方について検討を行うとともに、共同的な教材開発に結び付けたい。
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Research Products
(6 results)