2010 Fiscal Year Annual Research Report
市単位の不登校児童生徒に対する系統的支援対策の開発
Project/Area Number |
20530860
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
小野 昌彦 宮崎大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40280143)
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Keywords | 不登校 / 不登校減少対策 / 教育委員会 / 教師 / 欠席理由確認 / 行動療法 / アセスメント |
Research Abstract |
平成22年度のA、B市、1中学校を対象とした不登校減少対策開発研究の概要を以下に記述する。1目的:不登校児童生徒に対する市単位の系統的不登校対策を開発する。2対象:教育委員会と連携した支援対象校は、2市の全小・中学校(約30校)であった。校長と再登校支援研究で連携した中学校1校であった。方法:不登校事例及び予防状況のアセスメントを実施して以下の対策を立案した。(1)不登校発現予防対策:(1)教師のための「欠席連絡電話対応マニュアル」を各校への配布をした。(2)コンサルテーションを9回、10校実施した。再登校支援対策:筆者による対象生徒1名の面接3回、校長に対するコンサルテーション10回、校内研修1回を実施した。(2)評価:欠席対応実施確認の為の教員アンケートを年3回実施した、また、朝の欠席電話対応をA市において学校訪問チェック(1回)を実施した。対策効果は、不登校数(対策実施前比較等)及び不登校発現率によって実施した。3、結果:(1)不登校数(平成23年3月時点):A,B両市において全市の不登校は、対策実施前と比較して125人から76人(約40%減)、121人から72人(約40%減)へと減少していた。不登校発現率は、特に中学校において4.74%から2.83%、3.99%から2,35%と大きく減少した。検定処理の結果、対策実施前と実施後では有意に発現率が減少していた。再登校支援対象は、再登校し高校に進学した。4.研究成果と意義:(1)本方法論が、市単位の不登校減少に対して有効であることが示された。特に減少率、中学校における成果は、先行研究と比較しても優れた効果であった。(2)研究上の独創性及び不登校問題解消という社会貢献面で大きな意義がある。5.今後の研究:教員の欠席に至る前の問題解決のために「教師の問題解決10ステップ」を開発し本研究に組み込むことで、さらなる不登校減少を目指す。
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