2008 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ・リテラシー形成に寄与するカリキュラム・マネジメントの国際比較研究
Project/Area Number |
20530869
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
黒川 哲也 Miyagi University of Education, 教育学部, 准教授 (50390258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
中島 憲子 中村学園大学, 発達科学部, 講師 (00301721)
鐘ヶ江 淳一 近畿大学九州短期大学, 保育学科, 教授 (90185918)
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Keywords | スポーツ・リテラシー / カリキュラム・マネジメント / スポーツ教育学 / 学習到達度 |
Research Abstract |
東アジア各国においては, スポーツ・リテラシーの土台の崩れともいえる現象が共通の問題として顕在化してきており, これに対応したカリキュラム改革が実施されてきている. その際, カリキュラムの内実とその開発一実施一評価を遂行するためのカリキュラム・マネジメント・システムが求められる. 本研究課題においては, 東アジア各国のカリキュラム・マネジメントの実態を「全国・地域の政策・行政レベル」「学校の教育計画レベル」「教師の実践レベル」に区分して調査・比較し, スポーツ・リテラシーの形成に寄与するカリキュラムの内容とカリキュラム・マネジメントの望ましいあり方について明らかにすることを目的とした. 第1年次となる平成20年度は, カリキュラム・マネジメントの土台となる体育授業における児童・生徒の学びの実態調査の結果から調査対象地域(釜山 ; 韓国, 高雄・屏東 ; 台湾, 北京 ; 中国)の体育カリキュラムの現状と課題を明らかにした(北京 ; 中国については, 平成二一年度に成果を公表する予定). わが国を含めた東アジア地域は, 時期を異にしながらも急速な産業化や経済を中心とした生活のグローバル化の中で生活様式や市民の意識の大きな変化を経験していること, 学校カリキュラムの高い中央集権性が高い学力を保障している反面, 深刻な受験競争が子どもたちに強いストレスを与えていることなどを共通する基盤としている. 児童・生徒の学びの実態調査においては, 学校階梯の上昇に伴う運動有能感や体育授業に対する愛好的態度得点の低下といった共通する傾向が認められたと同時に, 項目得点の地域による違いなど差異も認められた. こうした実態の共通性と差異がカリキュラムの内容及びどのレベルのマネジメントの在り方によって引き起こされているのかを明らかにすることは, わが国の体育カリキュラム・マネジメント・システムの妥当性を検討していく上で重要な意義を持っている.
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