2009 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ・リテラシー形成に寄与するカリキュラム・マネジメントの国際比較研究
Project/Area Number |
20530869
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
黒川 哲也 Miyagi University of Education, 教育学部, 准教授 (50390258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
田中 新治郎 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (70197432)
中島 憲子 中村学園大学, 発達科学部, 講師 (00301721)
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Keywords | スポーツ・リテラシー / カリキュラム・マネジメント / スポーツ教育学 / 学習到達度 |
Research Abstract |
本研究課題においては,スポーツ・リテラシー形成に寄与するカリキュラム・マネジメントのあり方について東アジア諸国・地域の実態調査とそれらの地域に共通する課題と固有の課題を明らかにし,我が国の体育カリキュラム・マネジメントへの示唆を得ることを目的としている.国際比較研究の前提として各国・地域におけるナショナルカリキュラムの内容(体育科の目標・内容・方法・評価)の構造分析及びそこに見られる共通点と差異を明らかにすることが重要となる.平成21年度は,中国・韓国・台湾における体育科のナショナルカリキュラムを理念・目標・教育内容・教授-学習方法,評価の観点から比較し,底に見られる共通性と課題を明らかにした.具体的には,(1)身体及び心の健康に関する目標の一層重視,教材主義からの脱却,(2)知識が技術の活用力やコミュニケーション能力など「高次の学習能力」の重視,(3)目標の「行動目標化」の傾向,(4)個人差に応じた指導の重視,(5)評価の観点・評価方法の多元性・多様性の強調といった共通点が見られた.また,課題としては,「価値意識・態度」に関する目標の行動目標化の傾向が,教師の実践を拘束する傾向を持つことを明らかにした. ナショナルカリキュラムレベルに見られた上記の共通性及び課題が実際の学校・授業においてどのように現象しているかを明らかにするためには,各国・地域における現場教師への質問紙やインタビューを通じた実態調査が必要となるが,平成21年度においては,北京市・大連市(以上中国)・釜山市(韓国)の共同研究者・研究協力者との研究協議を通じて調査の実施内容・方法及びスケジュールについて詳細な検討及び資料の収集を行った.以上の成果に基づき,平成22年度に実態調査を実施する予定である.
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