2010 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ・リテラシー形成に寄与するカリキュラム・マネジメントの国際比較研究
Project/Area Number |
20530869
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
黒川 哲也 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50390258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
田中 新治郎 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (70197432)
中島 憲子 中村学園大学, 人間発達学部, 講師 (00301721)
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Keywords | スポーツ・リテラシー / カリキュラム・マネジメント / スポーツ教育学 / 学習到達度 |
Research Abstract |
本研究課題においては,スポーツ・リテラシー形成に寄与するカリキュラム・マネジメントのあり方について東アジア諸国・地域の実態調査とそれらの地域に共通する課題と固有の課題を明らかにし,我が国の体育カリキュラム・マネジメントへの示唆を得ることを目的とした. 平成22年度は,ナショナル・レベルの体育カリキュラム・マネジメントにおいて重要な領域の一つである体育教師教育カリキュラムについて,韓国・台湾・日本における養成段階の体育教師教育カリキュラムについて比較し,そこに見られる共通性と課題を明らかにした.また,体育授業における教師の指導性と児童・生徒の学習成果・学習への構えとの関連について検討した.さらに,初等教員養成における体育教師教育カリキュラムの検討を通じて,小学校体育カリキュラム・マネジメントの在り方を「担任制」の側面から検討した. 具体的には,(1)韓国・台湾と比較した場合,日本の体育教師教育カリキュラムは教科専門科目に関わる取得単位及び開設科目数が少なく,学習指導要領の実施に際して十分な専門性を保障するための専門性を十分に保障できない可能性があること,(2)体育授業における教師の指導性の実態を検討した結果,児童・生徒の望ましい学びの構えと確かな成果を保障する指導性と逆に学習成果の獲得を阻害する指導性とが見出された.さらに,(3)現在の初等教員養成における体育科関連科目の内容を韓国及び台湾と比較した場合,日本においては小学校児童の発達課題にふさわしい体育授業を実現する教師の専門性が保障されていないこと,特に小学校高学年においては教科担任制の導入をも考慮に入れて再検討すべきことを明らかにした.
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