Research Abstract |
本研究の目的は視覚障害学生に利用可能で,有用な教材作成を目指し,視覚特別学校に普及させることである.本研究のポリシーは,動画・画像添付,音声解説などが備わった教材の作成を目指すことである.平成21年度は,専門領域の中で直接授業を担当する臨床実習(診察学演習)、臨床診断学、神経内科学に焦点を絞り,他の科目の教材の見本となるべき教材の作成に着手した.その教材の基礎となる視聴覚教材の材料となる資料収集を中心に作業を進め,臨床医学教材オリジナルの神経症候学の写真スライド約2,000枚,不随意運動や神経症候のビデオ約500件を作成,編集した.それらのコンテンツを各キーワード毎に分類した.さらに,図の説明を音声で対応できるようした.基礎となるコンテンツとキーワード集を作成した.これらの資料を利用し,平成21年度は各科目の見本となるデモ教材を作成した.内容は,通常の授業教材にはパワーポイント式で画像・音声の挿入を行い,これらどこの大学や講演会等で実施されているものと同様である.さらに,本研究は自己学習教材の開発であり,視覚障害学生が利用できる電子ブック用教材をデモ用として作成した.また,点字教材,触図教材では,DAISY用,UDボイスペン対応のデモ教材を作成した.平成21年度はこれらデモ用教材までしか作成できていない.e-ラーニング自習用教材とするためには,できる限り多くのキーワード説明集の作成が必須である.キーワードの目標は1語の解説を50~100字として約3,000語と目標としている.本研究の意義および重要性は,本学の臨床医学系科目におけるe-ラーニング教育を推進し,視覚障害者の自宅学習支援のためには教材を充実させ,本学の学生への教育に進歩をもたらし,はり師国家試験合格をはじめ,専門職への自立を促す.さらに,全国の特別支援学校専攻科理療科にも教材を提供し,相互交流を図ることである.残りの研究期間でこれらの完成を目指す.
|