2011 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害学生に対する臨床医学のe-ラーニングと特別支援学校へのネットワーク構築
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20530878
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
大越 教夫 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (80203751)
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Keywords | 視覚障害教育 / 臨床医学教材 / e-ラーニング / 神経内科学 / 臨床医学総論 / 視聴覚学習教材 / 特別支援学校 / はり師国家試験 |
Research Abstract |
1.研究の目的 視覚障害者が自学自習するためのe-ラーニング教材を充実させ,本学の学生で検証する. 2.成果 (1)ビデオ教材:(1)教材作成:「神経内科学」の授業教材を過去の定期試験4回分,各試験につき約2時間の解説付きビデオ教材(電子ファイル)の自習用教材を作成した.学生へ4個のビデオ教材(電子ファイル)を学内LAN配信およびCDにて配付し,実際の試験直前学習に利用した.(2)評価:アンケートを実施し、この自己学習教材によりはるかに効率のよい学習ができ,ほぼ全員が再試験に合格した. (2)E-Book教材:(1)教材作成:「臨床診断学」のパワーポイントを利用した副教材を作成し,その内容を電子ブック教材になるように改良した.(2)評価;教材を利用し,有志学生に対して補講を実施し,教育の効率化を図り,学生からの意見を聴取した.定期試験用の自習用教材を各学生に配付し,実際の試験直前学習に利用した結果,学生の学習意欲が高まり,多くの学生では自己学習に有用であり,ほぼ全員から比較的良好な評価であった. (3)動画・音声付き教材:(1)教材作成:「臨床診断学」の図表の解説はDAISY化を行い,音声での利用が可能となった.また,臨床診断学の一部ではあるが動画・音声付きの教材のプロトタイプを作成した.(2)評価:少数例のみ使用内容を調査した。教材コンセプトはよいが、教材が未完成であるため評価はできていない。墨字プリントや点字資料と併用することで音声のみでも十分理解が深められ,試験での高点数につながった.問題点として,視覚障害の強い学生は映像を直接見ることは困難であり,説明等の工夫が必要である. (4)成果発表:学内の研究会にて内容を公表した。 3.作成中の教材 「神経内科学(改訂版)」,「臨床診断学(改訂版)」,「臨床医学総論」の教材を電子ブック教材,随時動画・音声付き教材,ビデオ教材にできるように作成中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は、東日本大震災の影響で2カ月程度研究ができない期間があった。また、学部長の役職であったため震災後の学内対応等で十分な研究時間がとれず、予定した教材作成や成果発表にやや遅れを生じ、予定した学会等への発表ができなった。しかし、大きく研究方針に変更を生じる遅れではなく、現在は徐々に遅れを取り戻しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
教材作成は最終段階であり、e-mail経由やパソコン対応CD,DVDなどのメディアを介して教材を提供し,このまま教材の作成を進める。教材は、臨床医学関連を完成させる。特に、臨床医学総論、臨床医学各論、国家試験対策の教材を作成する。教材のポリシーは、視覚障害学生が学べるように工夫をすることにある。学生へのアンケートは、教材の評価を決める重要事項であり、これも予定している。特別支援学校への普及も一部の学校での使用を予定している。さらには成果報告を予定している。
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Research Products
(13 results)