2008 Fiscal Year Annual Research Report
青年期・成人期になって適応上の問題を示した発達障害者の再社会化支援システムの開発
Project/Area Number |
20530881
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
菅野 敦 Tokyo Gakugei University, 教育実践研究支援センター, 教授 (10211187)
|
Keywords | 発達障害者 / 成人期 / 退行 / 移行支援プログラム / 心理学研究 |
Research Abstract |
本研究は、発達障害者が青年期・成人期になって適応上の問題を示し、その結果、適応能力の低下により、いわゆる「退行」に至ることを予防・ケアする支援システムの構築を目的とした研究である。 '08年度は、特別支援学校を対象に発達障害者の退行と相談・支援体制に関する全国調査を実施した。 (1) 調査対象 : 全国47都道府県に設置されている特別支援学校619校を調査対象とした。 (2) 調査方法 : 特別支援学校の相談担当教員および特別支援教育コーディネーターに対し、郵送により調査票を送り、返送してもらった (3) 分析対象 : 619校のうち返送のあった302校(回収率48.8%)を分析対象とした。 (4) 調査結果 : (1)相談窓口の開設状況は、特別支援学校の68%で相談窓口が開設されていることが分かった。 (2)相談者は、『保護者』の割合が最も高く、次いで『本人』であった。また近隣の中学校、高等学校からも相談が多数寄せられていた。 (3)相談内容は、『就労』に関する相談が最も多く、就労するにあたっての相談だけでなく、継続についても課題があることがわかった。 (4)近年増加している相談内容は、『就労』に関する相談が多かったが、『対人関係』『軽度・発達障害』に関する項目も増加傾向にあった。 (5)他機関との連携では、約7割で医療機関(精神科)と連携をとって支援にあたっていた。また、 (6)支援機関への紹介状況は、7割を越える特別支援学校で紹介を図っており、その約4割が医療機関であることが分かった。
|
Research Products
(16 results)