2010 Fiscal Year Annual Research Report
青年期・成人期になって適応上の問題を示した発達障害者の再社会化支援システムの開発
Project/Area Number |
20530881
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
菅野 敦 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 教授 (10211187)
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Keywords | 発達障害者 / 成人期 / 退行 / 移行支援プログラム / 心理学的研究 |
Research Abstract |
本年度は、本研究のまとめとして、補足調査と共に発達障害者の退行原因別予防・ケアプログラム(再社会化支援プログラム)を開発し、発達障害者の再社会化支援システムについて考察した。 研究手続き:'08年度に実施した特別支援学校を対象とした発達障害の相談・支援体制と発達障害の不適応の実態に関する調査研究、'09年度に実施した成人期支援サービス事業所を対象とした相談・支援体制と発達障害の不適応の実態に関する調査研究に加えて、本年度は、全国の成人期発達障害者支援機関を対象に、発達障害者に対する相談支援業務に関する調査と発達障害者への相談支援に関する調査を実施した。 調査対象と回収率:全国の発達障害者支援センター:8/38センター(回収率21.1%)、全国の就労・生活センターおよび職業センター:8/52事業所(回収率15.4%)、全国の児童相談所:60/215箇所(回収率27.9%) 調査結果:主な結果は、(1)相談窓口の開設状況は、半数の機関で相談窓口が開設され、相談支援業務が展開されていることが分かった。(2)相談者は、保護者の割合が最も多く、次いで、本人であった。また近隣のサービス事業所からも相談が多数あった。(3)相談内容は、就労に関する相談が最も多く、また、施設利用・サービス、家庭問題・生活に関する相談も多数あった。さらに、それらの問題への対応として、(4)どの機関も、8割超え医療機関と連携をとって支援に当たっていた。 総合考察:以上より、青年期から成人期において退行や早期老化により障害の重度化に至るケースの予防・ケアに対しては、成人期相談支援の総合窓口を地域に早急に整備することと、その後、医療機関を通過し、彼らの地域生活と社会参加促進を支援する地域支援システム(「退行・老化支援センター」)の構築を早急に実現する必要性が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)