2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本・ドイツにおける知的障害児の環境教育に関する研究
Project/Area Number |
20530885
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
冨永 光昭 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 准教授 (50227633)
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Keywords | 小学校 / 特別支援学級 / 知的障害児 / 環境教育 / 授業 / 総合的質的分析 |
Research Abstract |
冨永は、環境教育先進国であるドイツにおける知的障害児(者)への環境教育に学びながら、取り組みを整理し、その一部を紹介しているが、わが国では、系統的な取り組みを行っている学校は少なく、単発的な取り組みがあっても授業としての検討が十分になされておらず、授業の典型化も進んでいないのが現状である。平成20年度は、ドイツ調査研究項目の作成と日本国内の知的障害児の環境教育実践研究に取り組んだ。日本の小学校特別支援学級の協力を得て、知的障害あるいは知的障害を併せもつ子どもたちへの環境教育を進めるため、その実態把握(Assessment)-授業計画(Plan)-授業実施(Do)-授業分析(Check)-再授業計画(Replan)(APDCR)に取り組んだ。その際、冨永が長年取り組んできた授業のねらいが反映されている授業局面、授業局面間の授業要素の関連を問う「総合的質的分析」を行い、授業の諸課題を導き出した。牛乳パックを使った工作の活動を取り入れることで,普段机に向かっての授業では最後まで集中することが困難な児童も活動に参加しやすくなった。また絵や写真,実物など視覚的に捉えやすい教材を出来る限り使用することで,児童らの興味を引き,授業に注目する契機とすることができた。さらに、牛乳パックによるイス作りや紙すきによるハガキ作り等のリサイクル活動を通して友だちとの活動を楽しみ,また集団における自分の役割を考えられる力を養うことを目標としたが、活動中は児童らからペアーを意識した発言や行動が見られた。この単元化・授業化・活動化の結果は、紀要にまとめ公表する。
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