2009 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期と思春期に焦点を当てたAD/HDへの統合的心理社会的治療に関する研究
Project/Area Number |
20530888
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
岩坂 英巳 Nara University of Education, 教育学部, 教授 (70244712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉村 公二彦 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (00207234)
越野 和之 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (90252824)
根來 秀樹 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (80336867)
飯田 順三 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50159555)
松浦 直己 東京福祉大学, 教育学部, 教授 (20452518)
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Keywords | AD / HD / 早期支援 / ユニバーサルデザイン / 心理社会的治療 / ペアレントトレーニング / ソーシャルスキルトレーニング(SST) |
Research Abstract |
本研究の目的は、注意欠如/多動性障害(AD/HD)に対して、ライフサイクルでの支援の中で、特に幼児期の早期支援と思春期の自立に焦点を当てて、モデル開発、地域連携(研修含む)、そして効果判定等を行うことである。 (1) これまでのPTによって、対象児の多動、不注意が家庭にて、多動が学校にて有意に改善し、参加母親の子どもの障害理解とかかわりの自信も改善していた。 (2) これまでのSST(奈良県リハビリセンター、奈良教育大学)によって、参加児童の多動や不注意は家庭のみで改善。スキルと自己効力感との間には相関があることが明らかになった。スキル尺度に関しては、子どもの自己評価が高すぎる傾向があり、自己評価と他者評価による新たなスキル尺度の開発が必要であると思われた。 (3) 初年度のN市でのSDQ調査結果による幼児期ニーズの高さに対応するため、N市専門職との連携事業として、幼児期のPT保育園版(短縮3回版)の試行を行い、参加保育士の子ども理解と対応の自信に有用であることがわかった。子ども自体のSDQ値には有意な変化はなく、回数、期間を増したプログラムが必要であることが示唆された。 (4) 地域の小学校や教育委員会との連携により、学校で行えるSSTとPT、TT(PT学校版)を実施した。 (5) PTやSSTの普及のための啓発ビデオを作成し、PTのテクニック部分に関してはHP上に公開している。 (6) 脳生理学的検査として、児童のアクティグラフの設定のためのデータ収集を積み重ねている。 (7) 思春期から自立への移行について、ユニバーサルデザインを目指した思春期移行支援を行っている米国ランドマークカレッジをはじめ国内外の講師を招き、研究会議と公開国際シンポジウムを開催した。以上、生理学的検査の標準データ設定と思春期評価に若干の遅れが見られるものの、実際の早期から思春期までの専門プログラムによる支援の積み重ねが順調に進行している。特に、スキル評価の作成が急務であることがわかった。
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Research Products
(8 results)