2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530890
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
牟田口 辰己 広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (40282371)
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Keywords | 特別支援教育 / 視覚障害 / 盲児童生徒 / 歩行指導 |
Research Abstract |
1.盲児童の歩行指導プログラムの作成に向けた指導事項の検討 文部省発行「歩行指導の手引」(1985)に掲載された指導項目数は137であり、463の指導例が示されていた。その内容は「環境の認知」が151例(32.6%)と最も多く、次いで「地理的空間概念」の78例(16.8%)、「基本的な歩行運動」が64例(13.8%)であり、幼児期と小学部段階が293例(63.3%)と、全体の2/3を占めていた。しかし具体的な授業に活かせる指導事例が少ないため、今後はこれらを網羅した指導プログラムの整備が必要である。なお、この成果は日本特殊教育学会第48回大会で発表した。 2.歩行指導に関する特別支援学校(盲学校)への実地調査 長崎盲学校と佐賀盲学校の調査を実施した。また昨年度の調査で、超音波を用いた歩行補助具「パームソナー」の実践が明らかになり、この機器を購入して、その活用の可能性を検討した。今年度はまず「パームソナー」の性能を確認した結果,白杖を補う機能を備えていることが分かった。次年度は、具体的な活用場面とその操作法について検討する計画である。 3.盲児童のオリエンテーション技能を高める触地図教材の作成(盲児用触地図教材の開発) 中四国の盲学校4校の教師に触覚教材の作成経験の有無と作成した教材名、さらに現在必要な教材について調査した結果、盲学校勤務の短い教師はその経験がないことが分かった。さらに欲しい教材としてあげられた「広島市内地図」「日本地図」「火山の形状」について,バキュームフォーマーを用いてその作成にあたった。作成した教材は学校に寄贈し、活用できるようにした。 4.米国・英国における盲児に対する歩行指導の概要把握 内外の歩行指導に関する文献から、盲児童に対する歩行指導プログラムの概要を継続して把握した。
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Research Products
(1 results)