2009 Fiscal Year Annual Research Report
理科授業で学習困難と才能を示す中学生への特別支援の方策に関する研究
Project/Area Number |
20530895
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松村 暢隆 Kansai University, 文学部, 教授 (70157353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅田 学 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (50315347)
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Keywords | 特別支援教育 / 学習困難 / 才能 / 理科教育 |
Research Abstract |
通常学級で特定の教科の領域・方法で学習困難を示しても、理科等の別の学習領域・方法で才能を発揮する、中学生の特別な学習ニーズを識別して、学習を個性化する方策を探ることを目標とした。そのために本年度は、一つ目に、前年度に開発された、中高生が主要5教科について得意/苦手な学習行動を自己評定する評定尺度に検討を加えて、全ての中学生がMI(多重知能)の観点から得意/苦手な学習行動を自己評定する尺度を開発した。これには実施協力中学校の総合学習の個別テーマ選択に活かすという実践的目的がある。生徒の自己評定パターンと選択テーマに活かされるMIの関連を分析中である。二つ目に、特別支援学校中等部において、教師が生徒の障害とは別の才能(個人内での比較的得意)を見出し個別指導計画に活かす方策を探るために、教員の意識聴き取り調査を開始した。調査は翌年度に継続され、結果を順次分析中である。三つ目に、日本の中高生が理科の授業で個人の得意/苦手、学習ニーズに基づいて学習を個別化する方法の可能性を探究するために、アメリカの州立寄宿制科学高校の制度・授業方法について、具体的な資料を得て、分析を加えた。四つ目に、理科授業で才能を示す中学生の特徴を明確にするために、理科作品コンクール等で顕著な成果を挙げた生徒に関するインタビュー調査を行うと共に、大学の先端的な科学講座に参加する生徒の実験レポートの特徴について分析を行った。先に行った研究で開発された、統計的に信頼性の高い理科才能行動チェックリストとそれを用いた調査分析結果が高く評価され、国際学術雑誌に掲載された。
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Research Products
(4 results)