2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳児が利用する空間情報の特徴に関する実験的研究:知覚と運動の比較検討
Project/Area Number |
20539004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
鶴原 亜紀 Chuo University, 研究開発機構, 機構助教 (40342688)
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Keywords | 空間知覚 / 発達 / 運動 |
Research Abstract |
自分と対象との距離関係は、3次元空間での活動に必要不可欠な情報であり、視覚的な奥行き手がかりによって獲得される。本研究の目的は、"perception(知覚応答)"と"action(運動応答)"という場面の違いによる、単眼奥行き手がかりと両眼奥行き手がかりの重み付けの違いについて、乳児を対象とした発達研究により検討することである。 本年度は、乳児において、単眼奥行き手がかりが"perception"で"action"よりも重み付けが大きいかを検討した。単眼奥行き手がかりをもつ図形を刺激として呈示し、乳児が「奥行き」を知覚するかを、"perception"の指標である注視時間の測定により調べた。実験結果より、生後6-7ヶ月の乳児は、両眼で刺激を観察している場合にも、単眼奥行き手がかりから「奥行き」を知覚できることが示された。"action(運動応答)"を用いた先行研究では、両眼視の場合には生後7ヶ月でも単眼奥行き手がかりから「奥行き」を知覚できないことが示されている。本研究結果は、乳児において単眼奥行き手がかりが"perception"で"action"よりも重み付けが大きいことを示唆するものである。この研究成果は「三次元映像のフォーラム第86回研究会」において発表され、2009年5月に開催される国際学会The Vision Sciences Society 9th Annual Meetingの審査を通過し発表予定であり、さらに学術論文として投稿中である。さらに本年度は研究計画を前倒しし、"action(運動応答)"に関する実験の準備を進め、データを取得中である。運動刺激観察時の乳児の姿勢の動揺を測定することで、乳児の"action"における知覚を調べる実験である。この"action(運動応答)"に関する研究は日本視覚学会2009年冬季大会で発表された。
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Remarks |
基盤C
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Research Products
(2 results)