Research Abstract |
Waring問題の研究において, 自然数をある個数のべき乗数の和としてあらわす方法の数の平均的挙動は1920年頃から研究対象となっているが, その方向の結果を表現の数のべき乗平均に封する漸近式として明示することは, 最近のBrudernとWooleyの研究によって注目され始めている. その際の平均をとる自然数列を, 自然数全体とせず, 任意に固定された2次あるいは3次多項式の値の集合に限定したうえで, 対応する表現の数のべき乗平均に対して漸近式を証明する技法を, 上記2名と共同で考案し, 発表した.そこにおいては, 6個あるいは7個の3乗数の和として自然数を表現する方法の数のべき乗平均の場合を主な例にとって結果を示し, 方法の解説を行ったが, その手法は3乗数の場合に限らず, 一般のWaring問題に応用できるものであり, 実際その論文においても指数の大きいWaring問題の場合への適用例も手短に紹介した.これらの成果については, 昨年8月に近畿大学理工学部で開催された第5回日中整数論セミナーにおいて川田が口頭発表を行った. また, クローが無いグラフに対して, 付随した2次元単体的複体が単連結ならばハミルトン性を持つことと, 任意の2つの辺が2次元単体を通して移動可能ならばハミルトン性を持つことを, 押切が証明し, 発表した. さらに, 3乗数のWaring-Goldbach問題における例外集合の密度評価に関する最近の結果についてカナダのWaterloo大学で, 素数のべき乗数と関わる加法的問題の最近の研究成果や技術の進展に関するサーベイ講演を韓国の浦項工科大学で, 篩の方法の概要と応用例について名古屋大学で, それぞれ川田が口頭発表を行った.
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