2010 Fiscal Year Annual Research Report
アフィン量子群のレベル・ゼロ表現の結晶基底の代数的サイクルとしての実現
Project/Area Number |
20540006
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内藤 聡 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (60252160)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹山 美宏 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (60375392)
佐垣 大輔 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (40344866)
|
Keywords | Mirkovic-Vilonenサイクル / Mirkovic-Vilonen多面体 / Berenstein-Zelevinsky datum / 結晶基底 / アフィン・リー環 / 量子群 |
Research Abstract |
複素半単純リー環gに付随する量子群の下半三角部分U_{q}^{-}(g)の結晶基底であるB(∞)の幾何学的実現として、gをリー環とする連結な複素半単純代数群(のLanglands双対群)に付随するアフィン・グラスマン多様体の中のMirkovic-Vilonen(MV)サイクル(と呼ばれる、有限次元部分代数多様体)によるものが知られている。このMVサイクルのモーメント写像による像として定義されるMV多面体(と呼ばれる、ユークリッド空間内の有限個の頂点を持つ凸多面体)は、edge不等式とtropical Plucker関係式で特徴付けられるある種の非正整数の(整ウエイトの集合により添字付けられる)組であるBerenstein-Zelevinsky(BZ)datumによりパラメトライズされる。実際、このBZ datum全体の成す集合上には(抽象)クリスタルの構造が入り、それによってB(∞)と同型なクリスタルが得られる事が証明されている。 我々は、gが(もはや有限次元半単純リー環ではない)A型アフィン・リー環の場合に、上記のBZ datumの類似物を具体的に構成し、その全体の成す集合上に(抽象)クリスタルの構造が入る事を示した。この為には、先ず、nが自然数の全体を動く時にA_{n}型のBZ datum全体の集合が成す帰納系を考え、その極限集合を取る。それから、この極限集合の元であってさらにある周期性条件を満たすものとして、A型アフィン・リー環の場合のBZ datumの類似物が定まるのである。 我々が得た重要な結果の一つとして、このクリスタルのクリスタル・グラフが連結である事が挙げられる。我々はさらに、この連結性を利用して、上述の様にして具体的に構成したクリスタルが、A型アフィン・リー環(のLanglands双対)に付随する量子群の下半三角部分の結晶基底とクリスタルとして同型である事を証明する事が出来た。
|
Research Products
(2 results)