2008 Fiscal Year Annual Research Report
多変数保型形式と多変数超幾何函数に内在する数論的関係
Project/Area Number |
20540007
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
志賀 弘典 Chiba University, 大学院・理学研究科, 教授 (90009605)
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Keywords | Arithmetic-Geometric Mean / Hypergeometric Function / Modular form / Schwarz Map |
Research Abstract |
本プロジェクトで得た結果は以下の通りである。 1)ガウスによる算術幾何平均定理を1989年K. Matsumotoが研究した種数3の超楕円曲線の場合に拡張した。これは、退化した場合にガウスの公式と一致する。これによって、ガウスの古典的定理が200年後にしてはじめて多変数化されたことになる。同時に、多変数の算術幾何平均、多変数保型形式、多変数超幾何函数の間に深い関連のあることが示された。 2)楕円モジュラー函数は代数的変数に対して、それが虚2次の場合にのみ値が代数的になることが知られている。これは、超幾何微分方程式のシュワルツ写像において、代数的変数に対して、その値が代数的になるためには、対応する超幾何曲線のヤコビ多様体が虚数乗法を持つ必要があることを示唆する。われわれは、多変数超幾何微分方程式において同伴な(モノドロミ一群が等しい)族に対して、シュワルツ写像の値がどのような条件で代数的になるか、何個代数的になりうるかの一般的結果を得た。同時に、それらを示唆するさまざまな具体例を構成した。
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