2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540014
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山田 美枝子 Kanazawa University, 数物科学系, 教授 (70130226)
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Keywords | 差集合 / 符号理論 / ガロア環 / ガウス和 |
Research Abstract |
本研究はガロア環上の差集合、符号の新しい構成原理を得ることを目的としている.平成19年から20年にかけて得られた結果、すなわち標数2^t,t:偶数、偶数拡大のガロア環上に差集合が存在し、この差集合は標数2^<t+2>で同拡大次数のガロア環の差集合の素イデアル部分に埋め込まれているという結果を、奇数次拡大の場合にも拡張することができた。これは本年度の実施計画にあげた2項目の1つを達成したことを意味する。この結果はSt.Andrews大で開催されたBritish Combinatorial Conference 2009で発表した。22年度には差集合と似た性質をもち符号理論を始めとする組合せ数学と関連するDifference systems of setsやDifference fmilyの系列の構成へ研究を進めたい。 一方、標数2^tのガロア環の基本原始多項式の根を用いて生成行列を定義し、Reed-Muller codeの系列を構成した。そして標数2^<t-1>のガロア環上のReed-Muller codeは標数2^tのガロア環のReed-Muller codeのイデアル部分に隙間なく埋め込まれることが分かった。このことから最小Hamming距離は、有限体上のReed-Muller codeの最小Hamming距離に一致することが求まる。また、符号語を三角関数と1のべき根で表すこともできた。計算機実験からorderが1のReed-Muller codeの最小Lee距離は、標数が2^3の場合を除いて常に符号の長さに等しいことを得て、現在証明に取り組んでいる。以上の結果は「2009年度応用数学合同研究集会」(龍谷大で開催)で発表した。22年度には最小Lee距離の決定と、これまでの結果を基にGoethals-Seidel code, Preparata codeの定義の埋め込み構造の解明へと研究を進めたい。
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