2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540017
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂内 英一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 学術研究者 (10011652)
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Keywords | 代数的組合せ論 / アソシエーションスキーム / デザイン / 格子 / モジュラー形式 / coherent configuration / Lehmer予想 / tight design |
Research Abstract |
球面上あるいはユークリッド空間内の良い有限集合の研究が主目的であり、特にtight t-デザインおよびそれに近いものの分類が当面の目標である。2つの球面上にのっているtight t-デザインの分類についてt=5,7の場合に完全な結果を得ていたが、新しくt=9の場合に完全な結果を得、論文として投稿した(いずれも坂内悦子との共同研究)。ここで用いた方法は他の大きなtに対しても拡張可能であることを示唆しており、現在部分的成功を修めている。なお、t=6の場合は完全な分類へ向けて努力中であるが、22次元におけるひとつの新しい例を見いだした論文を投稿しacceptを得た(坂内悦子および重住淳一との共同研究)。球面上の良いt-デザインにアソシエーションスキームの構造が入るというDelsarte-Goethals-Seidelの有名な結果の類似として、ユークリッド空間内の良いユークリッドt-デザインにcoherent configurationの構造が入るということがその基礎にあり、現在tightに限らないこれらの良い構造を持つユークリッドt-デザインの分類問題のt=4場合に新しい成果(坂内悦子との共同研究)を論文に発表した。他に実双曲空間におけるt-デザインの定義を得ることに成功し、その概念とQ-多項式スキームにおけるrelative t-デザインとの関係を明確にし、論文を投稿した。ラマヌジャンτ関数の値は決して0にならないという整数論におけるLehmerの予想と格子のshellとして得られる球面上のデザインと間に密接な関係があることをVenkov達が見いだしていた。 Lehmer予想自体は難しく解決までにはまだ多くの困難があるが、三枝崎剛との共同研究において、toy modelと呼ぶ2次元の格子の場合に類似の結果を得て論文に発表し、またその種々の拡張についても研究を進めている。
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