2008 Fiscal Year Annual Research Report
モジュラー多様体の幾何とジーゲル保型形式の合同、P進理論
Project/Area Number |
20540018
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
市川 尚志 Saga University, 理工学部, 教授 (20201923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 昇勇 近畿大学, 理工学部, 教授 (20164402)
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Keywords | モジュラー多様体 / モジュラー形式 / 合同 / p進理論 / モノドロミー / 保型形式環 / 数論幾何 / 代数幾何 |
Research Abstract |
・ジーゲルモジュラー多様体の数論幾何的性質を調べた。特にpが巾零になるような環上のモジュラー多様体において、通常軌跡(ordinary locus)上の井草塔(Igusa tower)の性質を調べ、その純性(purity)を示した。 ・上記の結果、p進モノドロミー理論、及び長岡等によるハッセ不変量の持ち上げについての結果を用いて、ジーゲルモジュラー形式の合同問題を解決し、フーリエ係数が合同となるジーゲル保型形式の重さが合同になることを示した。さらにp進ジーゲルモジュラー形式の重さがp進数として定まることを示し、p進ジーゲルモジュラー形式と井草塔の切断との同一視を与えることにより、ジーゲルモジュラー形式のp進理論の基礎付けを与えた。またその応用として、レベル付きジーゲルモジュラー形式のp進性を示した。 ・ジーゲルモジュラー多様体と代数曲線のモジュライ空間の代数幾何的性質、特にマンフォードの同型写像を用いて、環上のジーゲルモジュラー形式のなす環(保型形式環)の構造を調べた。特に6を逆元として持つ環上において、次数2のジーゲルモジュラー形式のなす環の構造を決定し、複素数体上の場合の井草の結果を拡張した。 ・多変数のモジュラー形式のもつp進的な性質やpを法とした性質を調べた。特にエルミート・モジュラー形式の場合に、ある種の合同式を満たすエルミート・モジュラー形式の存在と存在条件を調べた。この結果を用いることにより、pを法として簡約化したエルミート・モジュラー形式のなす環の構造を、ある場合に決定することができた。
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Research Products
(4 results)