2009 Fiscal Year Annual Research Report
モジュラー多様体の幾何とジーゲル保型形式の合同、P進理論
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20540018
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
市川 尚志 Saga University, 理工学部, 教授 (20201923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 昇勇 近畿大学, 理工学部, 教授 (20164402)
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Keywords | リーマン面 / ベクトル束 / アーベル・ヤコビ写像 / ジーゲル・モジュラー形式 / p進モジュラー形式 / モジュラー曲線 / 志村積分 / アイゼンシュタイン級数 |
Research Abstract |
1. ショットキー一意化されたリーマン面上の次数0の半安定ベクトル束が、ショットキー群の線形表現に付随して得られることを示し、ショットキー群の線形表現のモジュライ空間からリーマン面上のベクトル束のモジュライ空間への被覆写像(アーベル・ヤコビ写像の高階版)を研究した。 2. ベクトル値ジーゲルモジュラー形式の数論的理論と、ベクトル値p進ジーゲル・モジュラー形式の理論の基礎付けを与えた。特に井草塔による表示を用いて、p進作用素の自然な構成を与えた。 3. モジュラー曲線の基本群の完備化から定まるモチーフの構造を調べ、反復志村積分が通常の志村積分の積で表されることを示した。 4. セールのモジュラー形式の古典的な結果の一つである、レベルが素数pのモジュラー形式のpを法とした性質を、多変数モジュラー形式の典型的な例であるジーゲル・モジュラー形式の場合に拡張した。 5. ジーゲル・モジュラー形式の典型的な例であるジーゲル・アイゼンシュタイン級数のフーリエ係数に現れるコーエン関数の簡明な表示を得た。これはエルミート・アイゼンシュタイン級数と呼ばれる関数をジーゲル上半空間に制限して得られたものである。
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