2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540025
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中島 幸喜 東京電機大学, 工学部, 教授 (80287440)
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Keywords | 基礎対数スキームの系列 / 分裂単体的半安定多様体 / p進Steenbrink重み複体 / p進Steenbrkink重み系列 / E2退化 / p進Steenbrkink-Mokrane重み複体 / 無限小コホモロジー / 兵藤加藤の同型射 |
Research Abstract |
1. 22年度は21年度の理論を拡張した。21年度は基礎対数スキームを局所的に対数的点の族として、固定していたが、22年度は一つの対数スキームに固定せず、基礎対数スキームの拡大と分岐を許した系列を考察の対象とした(系列の対数的スキームがすべて同じとすると、21年度考えた一つの基礎対数スキームになる)。まず、系列に対して、継続的分裂単体的安定多様体の概念を定義した。この新対象に対し、p進重み系列に関する基礎理論を構築した。基礎理論の定理として、次のことを示した。(1)p進Steenbrink重み複体の構成、(2)p進Steenbrink重み系列の構成、(3)p進Steenbrink重み複体の引き戻しに関する関手性、(4)p進重み系列のE2退化、(5)p進Steenbrink重み複体の底変換、(6)p進重みフィルトレーションの射の引き戻しに関する狭両立性。 2. 基礎対数スキームの系列の底空間達がすべて、正標数の完全体のとき、継続的分裂単体的半安定多様体のp進Steenbrink-Mokrane重み複体を構成し、p進Steenbrink-Mokrane重み複体とp進Steenbrink重み複体の比較定理を証明した。 3. 1の理論の応用として、完備離散体上の固有スキームの無限小コホモロジーに対し、p進重み系列を構成した。証明には兵藤治教授(元名古屋大)と加藤和也教授(シカゴ大)が構成した同型射を使った。さらに進んで、この重み系列から得られるp進重み重みフィルトレーションは完備離散体上の固有スキームにしかよらないこと、つまり、p進重みフィルトレーションのwell-definednessを示した。この結果は、以前に研究代表者が示した正標数の完全体上の有限分離型のスキームの剛性コホモロジーの重みフィルトレーションの構成の混標数版である。
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Research Products
(1 results)