2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540029
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
広中 由美子 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 教授 (10153652)
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Keywords | $p$進球関数 / 球等質空間 / 概均質ベクトル空間 / 対称空間 / ヘッケ環 / 局所密度 |
Research Abstract |
$p$進体上定義された連結reductive代数群$G$の極小放物型部分群評$P$が開軌道をもつような弱球等質空間$X$を考え,この上の球関数の明示式や,関数等式を考える. そもそも球関数は,空間$X$を群$G$の作用と共に考察する基本的道具であり,その関数としての性質やどのくらいあるか調べたり,応用しやすい形での明示式を求めることは基本的な問題である. 典型的な球関数は,代数的独立な$P$相対不変式の複素数べきを$G$の極大コンパクト群上で平均することで得られ,$P$に関するワイル群に関して関数等式を持つことが期待される. 相対不変式のなす空間の階数が$P$の階数以下であっても,一定の条件の下で関数等式を持つことを保障し その関数等式は,限定されたタイプの小さな概均質ベクトル空間の$p$進局所ゼータ関数の関数等式からもたらされることを示した.一方,関数等式と群のデータを用いた球関数の表示式を,より緩い条件の下で与えられる.相対不変式が相対的に少ない場合には,関数等式が考えられようなワイル群の元からなる部分群に関する和として表示されるのは興味深い.そのことによって,以前,別の方法で与えた交代形式の球関数の明示式をこの枠組みで捕らえなおすことができる.また,極小放物型部分群より大きな群に関する球関数について考える糸口にもなる. 具体例として$U(n,n)/\left(U(n)\times U(n)\right)$の空間の球関数の関数等式を与え,極と零点の位置について考察し,特定の点での明示式を求めた.さらには,応用として,$p$進エルミートSiegel級数の関数等式を具体的に与えた.
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Research Products
(4 results)