Research Abstract |
$p$進体上定義された連結reductive代数群$G$の極小放物型部分群$P$が開軌道をもつような弱球等質空間$X$を考え,この上の球関数を考察し,この空間の解析をする.$X$としては数論的応用をもたらしうる空間に特に興味がある. 昨年に引き続き$p$進対称空間$U(n,n)/\left(U(n) \times U(n) \right)$と同値な空間を,非退化エルミート形式$T$を表現する(fibre)空間$X_T3$として実現し,この上の球関数を研究している.球関数の関数等式を利用して,特定の点におけるの明示式を得た.これと$X_T$たちを並列的にとらえることにより,$X-T$の球関数のすべての点での明示式をもたらすことが期待され,さらには,$X_T$上の球関数の任意の球関数が,この典型例から構成されることが期待される. これらの成果は,いずれも国際研究集会である"Geometry and Analysis of Automorphic Forms of Several Variables"(東京大学),Joint meeting of KMS and AMS(Seoul, Korea)で発表した. また,「数論女性の集まり」として,全国の数論関係の女性研究者による研究集会を,昨年に引き続き早稲田大学にて開催し,その折にも球関数について講演した. さらに,恒例のAutumn Work Shop on Number Theoryを白馬にて,池田保氏と共同で世話人として開催し,幅広い観点で国内外の研究者と討論の機会を得た. また,1月には室蘭工業大学を佐藤文広氏(立教大学,研究協力者)と訪問し,桂田英典氏と共にセミナーを行った.2月には,京都産業大学で村瀬篤氏とセミナーを通じこのテーマに関わる議論をした.
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