2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540054
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
藤澤 太郎 東京電機大学, 工学部, 准教授 (60280385)
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Keywords | 混合ホッジ構造 / 偏極 / 対数構造 |
Research Abstract |
本年度は、まず、前年度までの研究で得られていた「積」および「トレース射」が、ログデフォメーションの相対対数的ドラーム・コホモロジー群上に「偏極」を定めることの証明に取り組んだ。 その結果、齋藤盛彦氏や、ギレン・ナヴァロ-アスナール氏等による先行結果を参照することにより、上記「積」および「トレース射」が、実際に「偏極」を与えていることを証明することができた。さらにその系として、ログデフォーメションの相対対数的ドラーム・コホモロジー群が、標準対数的点(スタンダードログポイント)上に、(偏極可能な)対数的ホッジ構造の変動を引き起こすことを示した。現在これらの結果について論文を執筆中である。また、近く京都大学数理解析研究所から出版されるRIMS Kokyuroku Bessatsu B24「Higher Dimensional Algebraic Geometry」の中にその要約が掲載される予定である。 今後、ログデフォメーションの一般化である対数的スムース退化に対して、この結果を拡張することにが、研究を進展させる手掛りになるものと考えている。 一方、年度当初に第2の研究課題として挙げていた、被約でない対数的スムース退化の相対対数的ドラーム複体の考察については、時間の制約のため目立った成果を得ることができなかった。巡回被覆を用いて、モノドロミー作用がべき単の場合へ帰着する方法を始めとして、幾つかの手掛りは得られており、今後の研究課題としたい。
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