2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90235507)
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Keywords | 測度距離空間 / 測度集中 / ラプラシアン |
Research Abstract |
Gromovの測度集中の理論の解明を進めた。Gromovは測度集中に関して非常に興味深い幾何学的な理論を構築したが、彼はその概略のみしか発表していない。Gromovは測度距離空間の間の距離を二種類定義した.一つはbox距離、もうひとつはobservable距離と呼ばれるものである。box距離は素朴な距離であり1測度づきGromov-Hausdorff位相とほぼ一致する。一方乱observable距離は測度集中の考えから定義されたものである。例えば、n次元単位球面でnを増やしていったときの列を考えると、これはbox距離では収束しないが、observable距離では1点から成る空間へ収束するみ今年度はこれら2つの距離の基本的性質について調べた。とくに積空間において積をとる空間の個数をどんどん増やしていったときの空間の列の収束・発散についてべたまた、observable距離による測度距離空間全体の完備化とコンパクト化に関するGromevの理論の一部を解明し、厳密な証明をつけた。コンパクト化の元はピラミッドという概念で記述される。ビラミッドの列の収束性について研究した。 測度集中の理論を用いて、非負リッチ曲率をもつ閉リーマン多様体のラプラシアンの固有値の性質を調べた。応用として、そのようなリーマン多様体の第k固有値が第1固有値の定数倍以下であることを証明した。その定数はkのみにより、次元や直径によらないところが新しい。
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Research Products
(3 results)