2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540059
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
三上 健太郎 秋田大学, 工学資源学研究科, 教授 (70006592)
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Keywords | ポアソン / スカウテン括弧積 / コホモロジー / 同変 / ゲルファント・フックス / 自明表現 / クリフォード代数 / 一般複素構造 |
Research Abstract |
シンプレクティック構造は非退化な交代2次テンソル(2次形式)で外微分作用素で閉じている,すなわち,2次元ド・ラームコホモモロジー群の元の一つの代表です。非退化な場合にその逆行列もどきの2階ベクトル場piが対応し,外微分作用素で閉じているとの条件はスカウテン括弧積に関し,等方的(isotropic)[pi,pi]=0であることである。ボアソン幾何学は,この等方性を残し,退化性を許した幾何学である。この等方性をも仮定しない場合の研究が我々の主たる研究対象であり,その為にはスカウテン括弧積の数学的意味づけが大事であり,第2年度にはクリフォード代数の枠組みの中での,スカウテン括弧積の解釈と,Poisson幾何学で大きな影響力を持つIzu Vaismannの著書で採用しているスカウテン括弧積の由来を完全に捉えることが出来,2009年11月と2010年3月に発表した。然るに前半に関してはYvette Kosmann-Schwarzbachに国際会議での発表を先んじられた。その為,このテーマをベースにした論文化は現在棚上げ状態にある。 一方,2009年10月に発表されたD.Kotschick and S.Morita : "Tke Gel'fand-Kalinin-Fuks class and characteristic classes of transversely symplectic foliations"は,標準シンプレクティック構造を備えた2次元平面のゲルファント・フックス・コホモロジー群を同変との条件を課した上で,Sp(2,R)(=SL(2,R))の表現論を巧に駆使して研究しています。研究代表者は,スカウテン括弧積研究の際に蓄積した,数式処理ソフトMapleの数式処理プログラムの助けを借りて,ウエイトが更に高い場合,約9ヶ月と数台のコンピュータを並列で走らせ,ウエイト18までの同変ゲルファント・フックス・コホモロジー群を確定することに成功した。この仕事は2010年10月に東京大学玉原国際セミナーハウスで開催された,"Foliations and Group of diffeomorphisms 2010"にて発表し(90分英語),その論文化の作業を現在進めているところである。
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Research Products
(1 results)