2010 Fiscal Year Annual Research Report
有理ホモロジー球面をリンクにもつ複素2次元特異点の研究
Project/Area Number |
20540060
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
奥間 智弘 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (00300533)
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Keywords | 2次元特異点 / splice-quotient特異点 / 幾何種数 |
Research Abstract |
本研究はリンクがホモロジー球面であるような特異点について基本的な解析的不変量を詳しく調べることを目標としている.Splice-quotient特異点は,リンクがホモロジー球面であり,その普遍アーベル被覆の定義式の主要項が特異点解消グラフ(リンクと同値な情報)によって組み合わせ的に決定されるような複素2次元特異点である.それは有理型特異点,最少楕円型得点,擬斉次特異点を含む比較的広いクラスを構成する.Splice-quotient特異点は端曲線定理によって特徴づけられる.これまでに,幾何種数をグラフから求める公式が得られている. 本年度はSplice-quotient特異点を含むより広いクラスとそれらに対する幾何種数公式について考察した.まず,研究協力者のA.Nemethi氏とともにsplice-quotientでない特異点の幾何種数の例をいくつか計算した.次に弱端曲線条件を導入し,楕円型特異点でsplice-quotient特異点でないもの(すなわち,端曲線条件を満たさないもの)の例を発見した.さらに,弱端曲線条件を満たす特異点に関して,幾何種数の公式を証明した.これは,特異点解消空間において例外集合の部分集合をブローダウンして得られる特異点(例外集合が小さい)の幾何種数の計算とperiodicc cnstantといわれる不変量の計算に帰着させるもので,その意味でsplice-quotient特異点の場合の公式と同じ形である.しかしながら,periodic constantが位相的であるかどうか,また位相的であるための条件などについては分かっていない.今後の課題である.また,科研費補助金を活用し,研究成果を発表や研究交流のために複数の研究集会に参加することが出来た.
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