2008 Fiscal Year Annual Research Report
ある種の複素2次元特異点と閉リーマン面の退化族の関係について
Project/Area Number |
20540062
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
都丸 正 Gunma University, 医学部, 教授 (70132579)
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Keywords | 閉リーマン面 / C*-退化族 / 特異点 |
Research Abstract |
C*を複素乗法群とする。閉リーマン面のC*-作用をもっ退化族(C*-退化族)の全空間は、定義では複素解析曲面としているが、C*-同変に代数曲面と解析同型なことを示した。証明に用いた主な手法は、H.Caranや.Holmann等により30年ほど前に研究された、群の作用で複素多様体を割って得られる商解析空間の理論に基づく。この結果から、完備(コンパクト)なC*-作用をもつ退化族が定義される。このことから、2つのC*-退化族について、双対なC*-退化族というものが定義される。20年度は、C*-作用をもつ複素2次元特異点(X,0)を固定したとき、そのある種の巡回被覆としてきまる2つの特異点(X_1,o)と(X_2,o)は、その被覆の次数に関するある種の条件下で、双対な退化族に各々埋め込めることを証明した。上記の証明のための準備として、2次元巡回商特異点の巡回被覆について研究し、一般的な条件下で、2次元巡回商特異点の巡回被覆として得られる2次元巡回商特異点の形を決定した。この応用として、埋め込み次元4のある種の完全交叉なC*一特異点の特異点解消を調べ、この特異点解消が、定義式の重みと次数のみで決まらないとを観察した。これは、埋め込み次元3(即ち、超曲面特異点)の時とは、ことなる現象である。さらに、C*-退化族の一般のファイバーとして得られる閉リーマン面Cは、C*-退化族の中心曲線として得られるリ「マン面Dの被覆面となるが、このことからCはかなり豊富な変換群をもつことが示される。これらの事実から、C*-退化族と閉リーマン面の退化族との関係を調べ、C*-退化族の異なる構成法を調べた。ただし、これは現在研究の途上にある。
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