Research Abstract |
自然数1,2,…,mを項にもつ有限数列Iに対応して,m成分ストリング絡み目のミルナー不変量μ(I)が定義される.ここで,数列Iの中に同じ数が現れる回数の最大数をr(I)で表す事にする.例えば, r(1,2,3,1)=2, r(1,2,3,2,3,4,2)=3となる.本研究では,リンク・ホモトピーより細かな同値関係として,自己Cn-同値を考え,この同値関係とミルナー不変量μ(I)との関係を調べる. 自己Cn-同値は,n=1の場合はリンク・ホモトピーと一致し,r(I)=1の場合は,μ(I)がリンク・ホモトピー不変量となることが知られている.更に,ミルナー不変量はストリング絡み目のリンク・ホモトピー分類与えることも知られている. 本年度は「r(I)≦nであることが,μ(I)が自己Cn-同値の下で不変量になる為の必要十分条件である」ということを明らかにした.これと類似の結果は,絡み目に関しては既に知られていたが,今回はストリング絡み目に関して,新たに結果を得た. 更に,コボルディズムという同値関係と自己Cn-同値を組み合わせることにより,自己Cnコボルダントという同値関係を定義し,次の結果を得た. ● ストリング絡み目が自己C_2コボルダントである為の必要十分条件は,r(I)≦2の全てのIに対して,μ(I)の値が一致する事である. これにより,ミルナー不変量が自己C_2コボルダントの完全不変量であることがわかる.
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