2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540067
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
塚田 和美 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (30163760)
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Keywords | 無限小等質空間 / 共形平坦等質ローレンツ多様体 / ホロ円曲面 / 等質四元数擬ケーラー多様体 |
Research Abstract |
正定値計量を備えた多様体はリーマン多様体と呼ばれ,計量が不定値の場合は擬リーマン多様体と呼ばれる.特に,不定値内積をもつ実線型空間を擬ユークリッド空間という.擬リーマン幾何学における等質性に関わり次のような課題を追求し,成果を得た. 1.前年度明らかにした曲率テンソルと等質性に関わるSingerの無限小等質空間の理論の擬リーマン多様体版を,共形平坦等質ローレンツ多様体の分類問題に適用し、研究を進展させることができた.リッチ作用素の型によって場合分けを行い,各場合毎に分類を進める方針で研究しているが,2つの場合が未解決である.これらの場合に例を構成することができた.より一般的な構成方法を見出すべく研究を継続している. 2.Cortesは,スピン表現に依拠し等質四元数擬ケーラー多様体を組織的にかつ大量に構成する方法を示した.その方法で構成された等質四元数擬ケーラー多様体の曲率テンソルを計算し,その特徴を見出すべく試みた.等質四元数擬ケーラー多様体の分類問題の解決につながる可能性がある. 3.4次元擬ユークリッド空間内の光錐の空間的曲線から,3次元双曲空間のホロ円曲面を構成する方法を導き,そのようにして得られた曲面の幾何学的性質を明らかにした.特に曲率,捩率など曲線の諸不変量を用いて対応するホロ円曲面の特異点を分類した.また,光錐の空間的等質曲線の分類し,それらから得られるホロ円曲面の幾何学的性質を明らかにした.これらの結果を整理し,論文として発表した.
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