2011 Fiscal Year Annual Research Report
評価写像モデルによるリー群の可視化問題とシンプレクティック類の拡張に関する研究
Project/Area Number |
20540070
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
栗林 勝彦 信州大学, 理学部, 教授 (40249751)
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Keywords | シンプレクティック多様体 / Sullivanモデル / 写像空間 |
Research Abstract |
Brown, Szczarbaによる写像空間の有理モデル(B-Sモデル)と研究代表者により構成された評価写像モデルを用いて,研究計画で述べられた3つの問題を考察してきた。本研究課題の最終年度である23年度は、シンプレクティック多様体Mをファイバーに持つファイブレーションにおいて、シンプレクティック類の全空間への拡張問題に対して一つの解答を与えた。 M上のホモトピー同値写像が作るモノイドの分類空間をBaut_1(M)とする。さらにMが偶数次元トーラス分離可能、すなわちMのde Rham複体から偶数次元トーラスのde Rham複体を分離できることを仮定する。この場合に、ファイバーのシンプレクティック類が拡張可能であることと、与えられたファイブレーションの分類写像から得られる検知写像の自明性とは同値であるという結果を得た。B-SモデルによるBaut_1(M)の構造解析がこの結果を証明する時の鍵となる。得られた結果とThurstonの結果から、ファイバーと底空間がシンプレクティック多様体であるファイブレーションが得られれば、その検知写像の自明性から全空間にシンプレクティック構造を導入出来ることになる。これは本結果の上鵜用な帰結となる。さらにトーラス分離可能シンプレクティック多様体をファイバーに持ち、底空間Bがco-H空間であるファイブレーション全体の集合を考えるとき、シンプレクティック類が拡張可能であるものからなる部分集合M_ext(B)には積の構造が入ることがわかった。特に底空間が球面である場合にM_ext(S^2)はアーベル群になり、それを有理数体で拡大したベクトル空間の次元を完全に決定することが出来た。これらの結果は写像空間の有理モデルの汎用性を示すとともにシンプレクティック多様体のファイブレーションを利用したトポロジー的、大域的な性質の解明に貢献することが期待される。
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Research Products
(3 results)