2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540075
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
小池 敏司 兵庫教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (60161832)
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Keywords | ブロー解析同値 / リプシッツ同値 / 点列選択性性質 / C^1同値 / 実ツリーモデル / 半直線-(SSP)条件 / 曲率集中化問題 |
Research Abstract |
本研究の目的は、実解析的特異点に対する自然で望ましい同値関係として導入されたブロー解析同値と他の同値関係、例えは、リプシッツ同値関係やC^1同値関係などとの間の相互関係を明らかにすることにある。これらの間の直接的な相互関係については、海外協力研究者のA.Parusinski教授やL.Paunescu教授と共同で、一昨年度、昨年度の本研究において明らかにしている。 今年度は、上記の研究のために海外共同研究者達と新たに導入した概念や道具をより深めたり、応用する、次のような研究を行った: (1)ブロー解析同値だがリプシッツ同値でない例の構成のために導入した概念、点列撰択性性質(SSP)について、その性質を持つ集合の幾何について深く研究を行い、点列選択性性質の幾何構造を不変にする条件の定式化、半直線-(SSP)条件を用いた点列選択性性質の特徴付けなどの結果を得た。これらの研究は、半代数的幾何学を含む点列選択性性質のに関する(SSP)幾何学の構築の上で役立つものと思われる。 (2)2変数実解析関数において、C^1同値ならブロー解析同値を導くことの証明やリプシッツ同値だがブロー解析同値でない例の構成のために導入した実ツリーモデルと、解析関数のレベル曲線の曲率集中化問題の間の関係を明らかにした。より詳しくは、曲率集中化が起こらないための必要十分条件を、実ツリーモデルの情報で書き下すことに成功した。この研究は、2変数実解析関数の構造を実ツリーモデルで完全に捉えるための第一歩となることが期待される。
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