2008 Fiscal Year Annual Research Report
部分多様体の幾何学とリーマン多様体上の微分作用素の固有値理論との融合及び発展
Project/Area Number |
20540082
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
成 慶明 Saga University, 理工学部, 教授 (50274577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 茂生 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (30186043)
前田 定廣 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40181581)
庄田 敏宏 佐賀大学, 文化教育学部, 講師 (10432957)
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Keywords | Universal inequalities / eigenvalu es / harmonic stability / Laplacian / Jacobi operator / hypersurface / constant scalar curvature / Riemannian manifold |
Research Abstract |
1.リーマン多様体内の完備極小超曲面の調和安定性の概念を導入し、調和安定な完備極小曲面のRicci曲率は非負ならば、この曲面は平面であるか、円柱面であるかを証明した。さらに、非負断面曲率を持つ完備リーマン多様体内のnon-parabolicで調和安定な完備極小超曲面は1つのendをしかもたないことを示した。 2.完備なリーマン多様体の有界領域におけるLaplace作用素のDirichlet固有値問題の固有値の研究はとても重要で、微分幾何学の分野及び大域的解析学分野での研究者は昔からそれを研究し続けてきた。特に固有値に関する普遍不等式の研究は近年大変注目されている。n次元Euclid空間内の有界領域又は球面内の領域におけるLaplace作用素のDirichlet固有値問題の固有値に関する最適な普遍不等式はそれぞれYangとCheng-Yangにより証明された。完備なリーマン多様体の有界領域におけるLaplace作用素のDirichlet固有値問題の固有値に関する普遍不等式の研究は難しく,研究成果がほとんどなかった。実際に、このような研究成果を得るために、鍵は試験関数の構成法である。試験関数をどのように構成するかどうかは致難な課題である。我々はNashの定理を利用し,試験関数を構成することが成功した。よって、完備なリーマン多様体内の有界領域におけるLaplace作用素のDirichlet固有値問題の固有値に関する普遍不等式を得た。我々の不等式はYang-型で、最適であることも分かった。さらに固有値の上限及び下限の研究への応用も発見し、更なる研究成果を期待できると思われる。 3.単位球面内のスカラー曲率が一定のコンパクトな超曲面は平均曲率の積分の汎関数の臨界点であることが知られている。この超曲面におけるヤコビ作用素の第1固有値を研究し、最適な上限を得た。
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