2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540084
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小林 治 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10153595)
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Keywords | 正則ホモトピー / 共形微分幾何 |
Research Abstract |
閉曲面上の正則閉曲線の正則ホモトピー不変量の共形微分幾何的解釈について,2次元の共形ラプラシアンのグリーン関数を用いて,計量を1点を除いて平坦にすると,種数が2以上の向きつけられた閉曲面の場合,除いた1点を錐状特異点とする計量が得られる.そこで,閉曲線の曲率積分を2πで割ったものを考えると,正則ホモトピー不変に近い振る舞いをすることがわかる.とくにこの閉曲線のホモロジー類が0のとき,閉曲面のオイラー数を法とした整数値が得られる.これは正則ホモトピー不変量になり,ラインハルトが1960年に発表した回転指数と一致する.閉曲線のホモロジー類が0でないとき,この曲率積分は一般に整数値にはならない.しかしある程度正則ホモトピー不変性をもつことがわかり,その解明は問題のひとつであった.この値は特異点の位置を変えると微分可能に変化することがわかり,その微分を考えると1次の微分形式が得られ,これが調和的であること,およびそのコホモロジー類は,考えている閉曲線のホモロジー類およびホモロジー交点形式を用いて説明できることがわかった.副産物として点つき閉曲面の共形構造のモデュライの次元を,曲面の向きつけ可能不可能に関わらず求める方法が得られた.これで問題のひとつが解決したが,終わりではない.1996年に谷尾と研究代表者の導入した,ラインハルトのものとは異なる正則ホモトピー不変量の解釈は依然として未解決である.しかしこれについても共形微分幾何の方法による解釈が出来るのではないかと期待している。
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Research Products
(1 results)