2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540086
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田邊 晋 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90432997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 敏純 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90218892)
植田 一石 大阪大学, 理学研究科, 助教 (60432465)
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Keywords | 幾何学 / 解析学 |
Research Abstract |
今年度は重み付き射影空間内のCalabi-Yau多様体のホモロジー的ミラー対称性に関して植田一石氏(大阪大)と共同研究を進め、次のような結果を得た。「重み付き射影空間内のCalabi-Yau多様体XのBatyrev-Borisovの意味のミラー対称に当たる完全交叉代数多様体Yの周期の満たす一般超幾何微分方程式のモノドロミー群はその2次不変式としてXの連接層の間のオイラー標数行列を持つ。」この結果はYとしてコンパクトではないアフィン多様体を考えその周期積分を議論している点で従来の枠組みに入りきらない現象を取り扱っているといえる。またこの研究の副産物として一般超幾何微分方程式の可約な大域モノドロミー表現に関する結果も得た。従来の研究はほとんど全てが既約表現に限定されていたため可約表現に関する新しい定理をいくつか考案する必要が生じたためである。 完全交叉代数多様体のversal変形空間上に定義されるガウス・マニン系の研究の一応用として波面の幾何学の研究に関して一つの知見を得た。波面は判別式集合の或る多項式写像による引き戻しとして理解され、もともとの完全交叉代数多様体のversal変形の幾何学と多項式写像の幾何学がたがいに絡み合ってその基本的性質(自由因子性など)が決まることがわかった。またある種の特異な退化の仕方をする波面はJ.Damonらの言う概自由因子の例を与えることもわかった。 上記の研究結果の論文の形による発表は現在準備中である。
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