2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540089
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
亀谷 幸生 Keio University, 理工学部, 准教授 (70253581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 和彦 東京大学, 数理科学研究科, 助教 (40234398)
吉田 尚彦 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究員 (70451903)
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Keywords | 指数定理 / シンプレクティック幾何学 |
Research Abstract |
本年度の研究では、ゲージ理論と指数定理を中心とする幾つかの問題に取り組んだ。研究代表者はスピン閉多様体に周期的な1次元微分同相写像族が存在するときのDirac作用素の指数に関する消滅定理をコボルディズム理論を使って考察した。このアイデアはGuillemin-Ginzuberg-Karshonによるシンプレクティック多様体におけるHamiltonian作用に関するものであるが、その手法は応用範囲は広いと思われる。一方、消滅定理自身は古典的であるが、服部晶夫氏による慨複素多様体などへの拡張、更にはWittenによる楕円種数の消滅定理などへと大きく発展しており、この考察もその最初の段階として意義はあると思われる。 研究分担者である吉田尚彦氏は古田幹雄氏、藤田玄氏との共同研究でGuillmin-Sternbergによる幾何学的量子化に関する予想をRiemann-Roch数の局所化の観点からの考察を行った。これは、シンプレクティック多様体上の複素直線束と完全可積分系がある条件を満たすときにDirac作用素の指数が消滅することを使い、その局所化を指数の和公式を使って導き出した。また、もっと一般のトーリック多様体にまで応用できるための枠組みを構成した。 両者の研究において共通に現れるDirac作用素の消滅定理であるが、その考察は全く異なる。また、両者の結果はそれぞれ指数定理を使った別証明もあり、これらを比較することは大変興味深いので、更に研究を推し進める予定である。
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Research Products
(2 results)