2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540095
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
大森 英樹 東京理科大学, 理工学部, 教授 (20087018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90178319)
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Keywords | 変形量子化 / 表示変形論 |
Research Abstract |
「同一のものが複数個存存する」というのは論理的矛盾であるが、量子論、特に場の量子論はこの一見矛盾するものを取り込むことで成立っている。これを数学論理の中に正しくとり入れて、点集合論にもとづかない非可換代数を基礎にした微分幾何学の建設を目標として「代数表示の変形論」を展開し始めた。 この中では局所的には区別できるが大域的には区別できない「多価の元」というのが一般的な存在の形ではあるのだが、数学的には代数演算の結合律を破るので取扱いは難しくなるが、演算を注意深く行うことで、2次式の指数関数、1変数の高次式の指数関数まで取扱えるようになってきた。この中にはJacobiのデータ関数が極めて自然な形で現れる、さらに、この中には普通の計算では決して現れることのない特殊な元が現れ、これだけをとり出すと、クリフォード代数を生成していることも判明した。この事に場の理論で言われる超対称性と良く似たものが、物理学を持ち出す前に数学の中に自然に現れていることを示している。この場合、使われている表示は場の理論で一般に使われる正規順序表示とかワイル順序表示といったものではなく、一般的性質を代表している表示(genenicな表示)である。さらに、これらは、正規順序表示とかワイル順序表示では見ることのできないものである為、何か新しい物理現象に対応していることも期待される。これらの結果は、他の研究者の意見もとり入れたいので、順次anxiv. mathに投稿していくが、まとまった論文にするのは、物理的意見がもう少しはっきりしてからにしたいと思っている。
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Research Products
(1 results)