2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540097
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
江田 勝哉 Waseda University, 理工学術院, 教授 (90015826)
|
Keywords | 基本群 / 野性的空間 / 連結 / 局所弧連結 / 1次元 / ホモトピー型 |
Research Abstract |
1次元のペアノ空間は局所単連結ならば有限グラフとホモトピー同値であることが知られており、その証明も難しいものではない。その基本群は自由群となり生成元の数は穴の個数となり、ホモトピー型は穴の個数で決まる。しかし局所構造が複雑なペアノ空間、例えば、Sierpinski Carpot, Menger spongeなどのような空間の場合は全く様相が異なる。2002年に本研究者はこれらの空間のように全ての点の近傍に穴がある1次元ペアノ空間は基本群がホモトピー型ばかりでなく位相空間を決定していることを証明した。この頃から、一般の1次元ペアノ空間に対しては基本群がホモトピー型を決定するであろうという予想があった。2005年にG.Connerらがその事実に近い定理をBeldewoの会議で発表したが、本研究者がその定理が間違っていることを示した。しかし、その際の補題のなかには有用なものがあった。その補題は、M.Meilstrupによるもので証明は不完全であった。昨年、本研究者は、その補題を強化したものを証明し、2002年の論文の主要な手法を使うことにより、1次元ペアノ空間の基本群はそのホモトピー型を決定することを証明した。さらに、二つの1次元ペアノ空間の基本群の間の準同型写像は、それらの空間の間の連続写像によって導かれる準同型写像の共役となっていることを証明した。また、この系として、1次元ペァノ空間の間の連続写像によって導かれる準同型写像が、同型写像であるならば、この連続写像は空間の間のホモトピー同値を与えていることが導かれた。これらにより、1次元ペアノ空間では基本群が支配していることがわかった。これは、2次元ペアノ空間でホモトピー群がどの程度支配的かという今後の問題を投げかけている。
|
Research Products
(4 results)