2008 Fiscal Year Annual Research Report
ランダムな誤差移入が動的システムの構造に及ぼす影響に関する多角的数理解析
Project/Area Number |
20540112
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
畑上 到 Kanazawa University, 電子情報学系, 教授 (50218476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
税所 康正 広島大学, 工学研究科, 准教授 (70195973)
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Keywords | ランダム項 / 確率差分方程式 / 流体シミュレーション / 確率過程 / 反射壁 |
Research Abstract |
非圧縮流体方程式を離散化して得られた動的システムにおいて,誤差移入による不変集合の構造変化について,統計的な考察を行った.特に本研究では,まず一様乱数等によるランダムな様式での誤差を発生させてランダムネスを付加した場合の数値解の構造と,反復収束過程を有する流体シミュレーションにおける数値解と構造についての類似点について詳細に議論した.また,離散ロジスティック方程式にランダムネスを負荷した場合の数値解の平均値としての力学的挙動,特に周期倍分岐に対するランダムネスの大きさの影響について理論的に考察した.これにより,2^n周期が現れるsの領域では2^n周期が2^<n-1>周期に変化するが2^∞以降からs=3.67あたりまでは2周期構造,それより大きいsの領域では1点の構造を示すことを明らかにした.さらに,2^n周期が現れる領域においてsの値を固定した場合のランダムネスの大きさの解構造への依存性を調べた.ランダムネスによる初期過程での解軌道の混合により,平均的な解構造において逆の周期倍化分岐が生じることが明らかになった,この結果から,ランダムな誤差移入は次元の低い幻影解の発現を誘起し,解の分岐過程に大きく影響を及ぼすことがわかった. 一方,反射壁確率過程で,安定分布の存在についての結果は知られていたが,自明なものを除いて極限分布まで存在する例を示したものはなかった.本研究では,1次元のジャンプタイプの反射壁確率過程で,極限分布まで存在する例を示した.
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Research Products
(3 results)