2009 Fiscal Year Annual Research Report
楕円型境界値問題が定義された領域の形状および位相最適化問題の正則化解法
Project/Area Number |
20540113
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
畔上 秀幸 Nagoya University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (70175876)
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Keywords | 境界値問題 / 形状最適化 / 位相最適化 / 勾配法 |
Research Abstract |
平成21年度は,引き続き基礎理論の整備を進め,その成果を「ワークショップ変分法と領域摂動」の資料にまとめ,講演した.さらに,次の成果を得た. 1.接触する弾性体の接触圧力が望みの分布となるように弾性体の形状を決定する問題に対して,実用に耐える数値解が得られることを示した(JSIAM Letters, 2, 2010, 1-4). 2.楽器の最適設計への応用を目指した音場構造連成系の放射音圧を最大化する形状最適化問題に対して数値解を得た.しかしながら,基本境界条件の境界や凹角部に適切な形状更新が行われない部分が現れた.その原因について,特異性の問題と形状微分の中に現れた曲率が原因ではないかと考察した.曲率は,境界形状の2階微分によって計算される.本研究で提唱する形状更新法によって,形状勾配よりも1階分の滑らかさの向上しか望めない. 3.上記2.の課題を克服するため,本研究で提唱する形状更新法を繰り返す方法を高階のH1勾配法とよんで提案した.その内容を「研究集会数値シミュレーションの理論と実践」で発表し,専門家と討論した.一方,プログラム上の工夫として,誤差評価に基づく適応メッシュ分割機能の追加を検討した.本年度は,誤差評価についてのプログラムを作成した. 4.連続体の密度型位相最適化問題に対して,密度制約の不等式の扱いが課題となっていた.設計変数を密度とは別に選び,密度を設計変数のシグモイド関数あるいは逆正接関数で定義することで,制約なしの密度型位相最適化問題を構成した.この問題に対して良好な数値解が得られることを確認した(日本応用数理学会2010年研究部会連合発表会で発表). 5.脊柱特発性側彎症の成因解明と治療法に関する研究において,脊柱有限要素モデルをCTデータに近づける問題を形状と密度を設計変数にして構成し,その問題を解くプログラムを開発した.
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Research Products
(15 results)