2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540114
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉信 康夫 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (90281063)
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Keywords | 数学基礎論 / 公理的集合論 / 強制法 / 強制公理 / バナッハ・マズア型ゲーム |
Research Abstract |
研究代表者は,本研究において継続的に,固有強制公理(PFA)を保存する強制法の可能な限り包括的なクラスの探索を行ってきており,今年度もこれに関連したいくつかの結果を得た. (1)これまでの研究で得られている作戦的閉な半順序によるPFAの保存の応用として,チャン予想,およびそのより大きい濃度への一般化がすべて偽であるという命題がPFAと無矛盾であることを示した.PFAがチャン予想の否定と矛盾しないことはヴェリコヴィッチにより知られていたが,本研究での証明はPFAの任意のモデルから強制拡大によりチャン予想の否定を付加できることを示しており,より汎用性が高い結果になっている. (2)これまでの研究で,PFAが長さ(ω1+1)のバナッハ・マズア型ゲームにおいて後手があるよい性質をもつ必勝法をもつような半順序による強制法で保たれる,という形のいくつかの結果を示して来たが,本年度は,先手が各手番で半順序の元ではなく可算部分集合を選び,その時点までに選ばれた集合全部の和のブール下限値として自分の手を表すバナッハ・マズア型ゲームの変種を導入し,このゲームで後手が各手番において先手がそれまでに選んだ集合全部の和,および今何手目であるかの情報にのみ依存する必勝法をもつような半順序(*作戦的閉な半順序と呼んでいる)による強制法でPFAが保たれることを示した.この結果はPFAとある弱いスクエア原理が無矛盾であるというマギドアの結果など,PFAと無限組合せ論の命題の無矛盾性についての既知の多くの結果を帰結として含んでおり,きわめて包括的な定理である. (3)(2)の半順序のクラスに対し,ω2個の稠密部分集合に対するジェネリックフィルタの存在を主張するマーティン型公理が,ある性質をもつω2の部分集合の存在を主張する組合せ的命題と同値であることを示し,この公理もまたPFAと無矛盾であることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)