2008 Fiscal Year Annual Research Report
振動場ダイナミクスの多様性に挑む新たな予測手法の確立
Project/Area Number |
20540116
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 知之 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (80211811)
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Keywords | ウェーブ分岐 / 反応拡散系 / 時空間パターン / チューリング不安定 / ホップ分岐 / 球面対称性 |
Research Abstract |
振動場の散逸結合系で動的パターンを分岐構造から理解するのはパターン形成の数理科学の重要な問題である。そこで本研究では多様な動的パターンの大域分岐解析手法の確立とそれに基づくパターンの予測・制御を目的とする。動的パターンの現れる振動場反応拡散系では最近、ウェーブ分岐と呼ばれる定数定常状態からの分岐機構が明らかになり、実験科学の興味と相まって研究が盛んになりつつある。ウェーブ分岐では複数の臨界モードのホップ分岐が生じさらにトーラス型の2次分岐が起こる。したがって局所的な分岐解析も容易ではないが、大域分岐構造はほとんど研究されていない。そこでまずは分岐追跡アルゴリズムを改良してトーラス分岐を追跡できるようにすることが必要である。本年度はまず、トーラス分岐にも2種類ありSO(2)不変な不変集合であるQuasi-Rotating Waveの概念を整理し、数値約な追跡を行った。これは「Quasi rotating waves to reaction-diffusion system」として口頭発表を行った。また数理生物学の問題と関連して、球面上でのウェーブ分岐による振勤パターンの研究を行った。球面調和関数展開により、低次のモードに縮約したダイナミクスを得た。これにより、低次のモードに現れる基本的な解構造が明らかになった。次年度はさらにその標準形ダイナミクスを詳細に研究しパターンの制御を可能にすることを目指す。
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Research Products
(5 results)