2010 Fiscal Year Annual Research Report
応答変数が二項反応である一般線型モデル推測の改良に関する研究
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20540124
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
種市 信裕 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (00207200)
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Keywords | 一般線形モデル / 検出力 / 漸近展開 / デビアンス / バートレット修正 / 変換統計量 / ロジスティック回帰 |
Research Abstract |
応答変数が二項反応であり,リンク関数が一般型リンク関数による一般線型モデルの適合度検定統計量の分布の漸近展開の研究に関して,昨年度,リンク関数が正準リンク関数であるロジットリンク関数である場合,つまりロジスティック回帰モデルの場合のデビアンス(対数尤度比検定統計量)の下側確率の連続分布を仮定した漸近展開式に基づき,デビアンスにバートレット修正をほどこした変換統計量を導出した。今年度はこの変換統計量の性能の評価をモンテカルロシミュレーションを用いておこなった。その結果,この変換統計量による検定の検出力は元のデビアンス統計量による検定の検出力とほとんど変わらないにもかかわらず,変換統計量のカイ二乗分布への少ない標本数における収束の速さはもとのデビアンス統計量より非常に改良されていること,つまり少ない標本数におけるカイ二乗分布を用いて検定することの妥当性が示された。さらに,今年度はリンク関数がロジットのみならず,補対数対数リンク等を含む一般型リンク関数による一般線型モデルにおけるデビアンス統計量の下側確率の漸近展開式の導出をおこなった。この漸近展開式は連続項および離散項よりなる。この漸近展開式の連続項に基づきデビアンスにバートレット修正をほどこしたデビアンスの変換統計量の構築をおこなうことが出来た。現在,適合度検定統計量として,デビアンスを特殊な場合として含むパワーダイバージェンス適合度検定統計量さらにはより一般化をおこなったφ-ダイバージェンス検定統計量の下側確率の漸近展開式の導出をおこなっている。
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