2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540129
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
丸田 辰哉 大阪府立大学, 理学系研究科, 教授 (80239152)
|
Keywords | 線形符号 / 誤り訂正 / 最適符号 / 符号の拡張 / Griesmer限界 / 射影幾何 |
Research Abstract |
最適線形符号問題とは、q元体上の長さn,次元k,最小距離dの線形符号([n, k, d]q符号)が存在する限界 (具体的にはnの最小値nq(k, d))を決定する問題で、符号理論において最も基本的な研究課題の一つであるが、q=3, k=6の場合でもまだ多くの未解決問題が残っている。 本年度は、前年度からの懸案であったq=8,k=4の場合に取り組み、gcd(d, q)=2の場合の新たな拡張定理を証明できたことから、それを応用してGriesmer符号の非存在性に関する多くの成果が得られた。 新しい拡張定理と8元線形符号についての成果は、それぞれ次の論文で発表した。 Y.Yoshida, T.Maruta, An extension theorem for【n,k,d】q codes with gcd(d, q)=2 R.Kanazawa, T.Maruta, On optimal linear codes over F_8 特に前者は、gcd(d, q)=1ではない[n, k, d]q符号に対する初めての拡張定理として注目されている。 また、q=3, k=6の場合でも、3元線形符号とquadricsとの関係を利用して、最適線形符号問題に取り組み、多くの成果を上げることができた。それらについては、ロシアで開かれた国際会議ACCT2010等で大学院生と共に発表した。q=3,k=6の場合では、まだ検討していない問題が多く残っており、最終年度に引き続き研究を行う予定である。
|