2009 Fiscal Year Annual Research Report
純飛躍型マルコフ過程のディリクレ形式による確率解析
Project/Area Number |
20540130
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
上村 稔大 Kansai University, システム理工学部, 准教授 (30285332)
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Keywords | ディリクレ形式 / マルコフ過程 / 平行場作用素 / ハルナック不等式 / フェラー半群 / 脱出時刻 / 安定型過程 / ジャンプ過程 |
Research Abstract |
本年度は,ある積分核より定義される,非局所型作用素と,対称二次形式との間の関係について,それが,非局所型作用素から定義される平行場作用素(carre du champ operator)を考え,それを基礎となる測度で積分したものが与えられた対称二次形式と一致することを示すことが出来た. それまで関係性については指摘されていたものの,具体的な関係については知られていなかったもので,それを明らかに出来た意義は大きいと思われる.また,その対称二次形式の閉包より構成されるディリクレ形式には飛躍型マルコフ過程,通常ジャンプ過程が対応する.このジャンプ過程の標本路の性質について,特に球からの脱出時刻の上からとしたからの評価を導出することにも成功した.その評価自身は,以前対応する擬分作用素の表像(シンボル)を用いて評価していたのであるが,今回は,ディリクレ形式の生成作用素の具体的表示と,レビィ系とよばれる,対応する確率過程の飛躍を規定するジャンプ核の評価を用いることにより球からの脱出時刻の評価を導出することに成功した.すなわち,擬微分作用素の表像を経由せずに,直接ディリクレ形式の形を用いる点が新しい着想である.
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Research Products
(2 results)