2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540131
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
安田 英典 Josai University, 理学部・数学科, 教授 (30406368)
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Keywords | 新型インフルエンザ / シミュレーション / モデリング / 2相流浅水波方程式 / SISモデル |
Research Abstract |
本研究は,現実の新型インフルエンザ流行を対象としたコミュニティモデルと流行時の現象の本質を洞察するためのメタファーモデルを用いた新型インフルエンザ流行伝播のシミュレーションによる研究である,流行のピーク時にはベッドをはじめとする医療資源が不足する可能性がある.中央線沿線を対象にしているコミュニティモデルに病院モデルを組み込んだシミュレーションによってこの問題を検討した.シミュレーションではワクチン接種と学校閉鎖を実施した,ワクチンの効率は,5,10,20,30%とした.学校閉鎖は流行開始から3,7,14,21,28日からスタートするものとした,学校の再開は84日,105日,再開なしの3ケースとした.病院モデルでは感染者の0,8,16%が入院できるものとした.シミュレーションでは,ベッド数の問題を主として検討した.メタファーモデルについては,基礎となる2相流浅水波方程式の挙動を数値的に研究するとともに、人々の移動のモデルを感染症流行伝播であるSIRモデルを連成した空間1次元のシミュレーションを実施した.感染率が低い場合,感染者と非感染者の集団が界面によって分離された.ついで、感染率に応じた速度で形成された界面が非感染者の領域の方へ移動していくことが見出された. また,本年度は数理的なモデリングと実際の臨床現場をつなぐために,臨床医学の研究者を交えた「新型インフルエンザ流行防御シミュレーションスペシャリストワークショップ」を実施した.
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Research Products
(3 results)